企業様の事例
新しい事業を始めるために補助金を活用したい
新規事業を始めるのに補助金を活用できると、運転資金に余裕ができるため、事業の立上げ運営が行いやすくなります。
しかし、補助金は申請すれば必ずもらえるわけではありません。
事業の内容や、自社・マーケット分析、スケジュールなどを記載した事業計画を提出して、審査を通過しないと補助金はもらえません。
そこで、ここでは、補助金を取得するまでの流れとポイントについて、実例をもとにご紹介していきます。
当事務所による解決
当事務所では、まず、A社様が検討されている新規事業の内容を伺いました。
すると、A社様が当初検討されていた補助金よりも補助率(※1)や上限金額がより有利な補助金がることが判明したため、その有利な方の補助金に応募することになりました。
※1:事業にかかる費用の総額に対して出してもらえる補助金の上限割合のこと。
応募する補助金が決まったら、補助金の申請に必要な事業計画の作成になります。
A社様で考えられていた事業方針やイメージから、ECの集客策や販売戦略など、事業を成功させるための具体的な施策を当事務所で立案し、補助金の申請書類として求められている事業戦略にまとめました。
事業計画の作成が終わったら、必要書類一式を提出して補助金の申請を行います。
A社様が応募された補助金は、専用システムを通じて応募するものでしたが、応募の際には、当事務所側で入力内容や書類の添付確認などの支援を行いました。
その結果、A社様の事業は審査を通過して、補助金を受給できる事業として選ばれました。
POINT
ポイント
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申請する補助金の選定
A社様は、お知り合いの方から、新規事業を始めるのであれば、商工会から補助金がもらえるとの助言をいただいていましたが、当事務所にご相談いただいた時期には、その補助金よりも、補助率やもらえる金額の多い補助金の募集が行われていました。
補助金は、国や地方自治体、公的機関が実施しており、補助金ごとに貰える金額や補助率、応募条件が異なっています。
初回相談の際に確認したところ、A社様はより有利な補助金の応募条件を満たしていることがわかりました。
そこで、A社様にはその旨をお伝えし、金額がより多い補助金を申請することになりました。
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事業計画の策定
補助金の申請の際に提出する事業計画では、大まかな事業方針だけでなく、事業環境を踏まえて、具体的にどのような施策を行うのか、その施策を行うのにはどのようなものが必要で、いくらかかるのか、そして、各施策がいつ実施され、売上見通しがどのようになって、いつ頃に黒字化するのかなど、現実に即した具体的な計画を記載する必要があります。
補助金の審査では、単に事業の内容が画期的なものであったり、将来性が期待できるものであるかを見ているわけではなく、その内容が現実と照らし合わせて、合理的で実現可能性が高いかを見ていると考えられます。
事業内容がどれほど画期的なものであっても、それだけで事業が実現するわけではなく、適切な施策を実施しなければ事業は成功せず、結果として、税金を原資とした補助金が十分な効果を生み出さなくなってしまうからです。
そのため、補助金の申請を行う際には、大まかな事業の方針だけでなく、その事業が成功(=黒字化する)するには、このような施策を打つ必要があり、それにはこれくらいの金額がかかるが、売上がこのように伸びていくため、この年くらいには、黒字化して、以降は黒字が積み重なっていくといったように、事業の内容とスケジュールを具体的に書いて事業計画の中で示す必要があります。
事業計画で事業成功の道筋を示すことで、この事業は実現の可能性が高い、という心証を審査員に持ってもらう必要があると考えられるためです。
とはいうものの、こうした、事業の具体的な施策や予定まで書かれている事業計画というのは、小規模な事業者さんだけでなく、比較的大きな事業者さんでも策定するのが難しいものです。
具体的な施策や予定を立てるとなると、やはり、そうした能力や経験を持っている人がいて、策定のための時間をとる必要があるのですが、社内にそうした人や時間を確保するには、会社の財務にある程度の余裕がないとできないからです。
そのため、当事務所では、そうした事業者様が事業計画を策定する支援を行っています。
A者様も事業方針は決まっていたものの、そうした具体的な施策や、スケジュールなどについては決まっていませんでした。
そのため、事業計画の作成支援として、当事務所が、ヒアリングの中でA者様からいただいた様々な情報から、A社様の強み、弱み、機会、脅威などを分析(いわゆる、SWOT分析)し、その分析をもとに、具体的な施策を立案。
また、そこから必要となる経費なども算定して、施策の実施スケジュールや、事業の売上、費用、利益に関する計画なども立案しました。
なお、こうした事業計画の策定は、単に補助金の申請に必要なだけではなく、実際に事業を進めていく際のメルクマール(指標、目安)にもなります。
事業を行う際には、月次又は年次の売上高や費用、利益目標を定めておいて、その達成を意識しながら事業を進めると、効果を上げやすくなります。
例えば、各月・各年の実際の売上高・費用が、事業計画の数字に近いものになっているかを確認することで、営業をもっとがんばらないといけない、とか、費用が掛かりすぎているので抑えないといけない、といったことに気づくことができます。
また、計画と実際の数字の開きが大きいのであれば、営業の仕方を変えないといけない、とか、費用も見直さないといけない、など、当初考えていた計画を修正する必要があることを気づかせてくれることもあります。
このように、事業計画を立てて、事業を実行し、その結果をチェックして改善のアクションにつなげる、いわゆる、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act cycle)を回せるようになると、効率的な経営が可能になってきます。
当事務所で立案した事業計画は、そのように、単に補助金を申請するためだけのものではなく、お客様の事業の成功に役立つツールにもなるように作成しています。
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補助金の申請
事業計画が出来上がったら、その他の必要書類と一緒に提出して補助金を申請しることになります。
補助金の申請は大別すると、紙の書面を郵送して行う方法と、インターネットを通じて申請する方法がありますが、A者様が申請された補助金はインターネット上にあるシステムを通じて申請するものでした。
紙の書面であれば、必要事項を記載したファイルを当事務所で作成してお客様にお渡しし、お客様側でプリントアウトして署名・捺印などをした上で、郵送いただくのですが、A社様の申請された補助金は、専用のIDを取得して申請するものでした。
そのため、システムへの入力や必要書類の添付はご自身で行わなければなりませんでした。
もちろん、システムの利用マニュアルは整備されているのですが、不思議と、マニュアル通りに操作して(いるつもりで)もシステムがうまく動かないことがあります。
また、入力項目によっては、どのようなことを記載すればいいのか分からないこともあります。
A社様の申請の際にも、そうしたことがありました。
A社様への支援として、当事務所では、入力については、コピー&ペーストするだけでよいように、入力内容を作成してご連携しました。
また、システムの操作については、Web会議システムで画面を共有しながら操作方法についてアドバイスを差し上げました。
また、意外と多いのが、必要書類の添付忘れ。
必要な添付書類を添付していないと、事業計画がどれほど素晴らしくても、審査で落とされてしまいます。
そのため、A社様のケースでは、入力の際に必要書類の添付についても確認を行っています。
補助金についてもっと知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。